演劇と珈琲、本と酒。

演劇とか珈琲とか本とか酒とかについて綴られるはず。

なぜ演劇をするのか、という問い。

この6か月は、今までの人生で一番濃い6か月だった。

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NY観劇録④ "A Midsummer Night's Dream"

真夏の夜の夢

 

二度目のShakespeare in the Park.

5時から並べば、よほど混んでない限り見ることができる。7時30分開場、8時開演。上演時間は休憩含めて2時間30分。

日没は8時30分ごろ。芝居が進むにつれてあたりも暗くなる。

ちょうど四人の貴族が薬を盛られてしっちゃかめっちゃかになるあたりで、星が瞬きはじめ、文字通り「真夏の夜」になる。完璧な時間配分も計算のうちだろう。

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まるでミュージカルのような演出だった。

いや、もはやミュージカルだったのかもしれない。

 

バンドによる生演奏がセントラルパークに響き渡る。

豪奢な衣装は月の光を反射して、きらびやかに光る。

ブルース歌手の生歌。俳優たち身体の躍動。風によってはこばれてくる熱気。

そしてなによりも、シェイクスピアが書いた台詞が、この上なくポエティックで、その豪華な雰囲気により一層拍車をかける。

 

ACT1 SCENE1

 

HERMIA

I frown upon him, yet he loves me still.

(I frown at him, but he still loves me.)

 

HELENA

Oh, that your frowns would teach my smiles such skill!

(Oh, if only my smiles could inspire love as effectively as your frowns!)

 

HERMIA

I give him curses, yet he gives me love.

(I curse him, but he loves me.)

 

HELENA

Oh, that my prayers could such affection move!

(If only my prayers could inspire that kind of affection!)

 

HERMIA

The more I hate, the more he follows me.

(The more I hate him, the more he follows me around.)

 

HELENA

The more I love, the more he hateth me.

(The more I love him, the more he hates me.)

……

(上は原文、下は現代英語訳)

 

ここの、自虐的なヘレナがとてもかわいい。人間味にあふれていて、かわいい。

ハーミア「嫌いって言えば言うほど、彼は私を付け回してくるの」

に対し、

ヘレナ「私は、彼を好きになればなるほど、嫌われるんだよ」

である。ハーミアもハーミアだが、すげえ胸をえぐってくるやり取りだな。

 

ヘレナ役の女優は、キンキーブーツのオリジナルキャストとしてトニー賞受賞歴のあるAnnaleigh Ashford

明るくて無邪気、かつ自虐的で恋に悩む女の子の魅力を全部抑えた役作り。舞台上でのひらひらとした立ち居振る舞いに、まさに引き込まれるように、ずっと釘付けになってしまう。これが本場のミュージカル女優……。

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正直シェイクスピアを、こんな風に見れるとは思っていなかった。

 

今まで知っていると思っていたシェイクスピアは、日本語に翻訳されたものだけだった。

英語になるというだけで、こんなにも受ける印象が違うのかと、正直圧倒されている。

 

こっちに来てから少なからず思うことだが、英語という言語は日本語に比べてダイレクトかつストレートだ。自分の意図と言葉の意味とが、感情をガソリンにして相手に直に刺さる感覚がある。フェンシングのようなイメージだ。

対して日本語は、必ず相手との距離感を無意識に測ってから発話する。敬語がいい例だ。相手を敬い、時に自分を謙譲するような表現は、英語にはない。剣道みたいなイメージ。

 

この英語と日本語の間にある性質の差を、いかにして埋めていくか。同じイメージに近づけていくか、っていうのがきっと、翻訳という作業なんだろう。

 

翻訳ではなく翻案になるかもしれないが、シェイクスピアに日本語で「挑む」というのを、数年のうちにやってみたい。

NY観劇録③ BLUE MAN GROUP

五感の一つ一つを丁寧に破壊されてるような気分だった。

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昨日観に行ったブルーマングループのショーはクスリみたいな作用を僕に及ぼしている。

 

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「日本はもう制覇したので」と言う男の話。

「日本はもう制覇したので、今度はアメリカを制覇しに来ました。」

夜11時。彼はそう言った。

 

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「傷つきやすさ」について

こっちでシーンの稽古の授業をとっていて、その中で教わったエクササイズの一つに、“7 Seconds Are Nothing” というのがある。(題名は勝手につけた)

与えられたお題のもとに行うスピーチみたいなものだ。

 

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NY観劇録② JULIUS CAESAR

ニューヨークのど真ん中に、大自然が広がっている。

毎年夏の夜になると、その中で盛大にシェイクスピア劇が上演される。

セントラルパーク内のデラコルテ劇場にて、FREE Shakespeare In The Park の"JULIUS CAESAR"を観劇してきた。

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NY 観劇録① STOMP

ニューヨークに来て初めての観劇は、オフ・ブロードウェイの"STOMP"

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