演劇と珈琲、本と酒。

演劇とか珈琲とか本とか酒とかについて綴られるはず。

NY雑感①

いろいろな幸運が重なって、現在ニューヨークに住んでいる。滞在2日目が終わったので、第一印象を書き記しておこうと思う。

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雨に煙るタイムズスクエア。アメリカ国旗がはためく。否応なしに、ここがアメリカであることを実感させられると同時に、自分がよそ者であることをまざまざと見せつけられる。

見渡す限りのアメリカ。聞き及ぶ限りの英語。存外繋がらないWi-Fi. 肌寒い気温。

 

 

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セントラルパークにて。

真昼間から男女が肩を組みながら歩くなんてザラだし、地下鉄内でキスするカップルもごまんといる。そのたびに目のやり場に困り、電波の繋がっていないスマホをいじるふりをする。

その他にも、馬車が平気で走っていたり、リスが雀みたいに至る所にいたりして、私の理解キャパシティは余裕で溢れた。当たり前じゃないことが、当たり前な世界なのだ。

 

……

文化というのは、着慣れた服みたいなものだ。自分の国で身に着けている分には気づかないが、異国に来て初めてその存在を認識できる。スーパーにて、自分の後にできている行列の目が一斉にこちらを向いている光景をみて、まるで自分がとても奇異な服を着ているような気分になった。行列から見たら、あのアジアンはチップも払わず、英語もカタコトで、買い物もろくにできないと思われていただろうけれど、本当に知らないから面目無い。

 

朱に交われば赤くなるとはよく言ったもので、異文化になじむことは、自国の文化の色が自分の身体から徐々に消えていくことなのかもしれない。

歩き回って帰ると、自分の衣服から自分とは違うにおいがこびりついているのを感じ、いやになりそうになる。丁度、お好み焼き屋にて、お好み焼きのにおいが服にこびりついて取れない感覚に近い。お好み焼きのにおいは、洗えば落ちる。が、身体にまとわりついた異文化のそれは、逆に自分の内面に侵入しようとしてくる。それに抗うための体力なり人生経験なり知識なり哲学なりが無いうちは、いやでも慣れていくしかなさそうだ。

まだこちらに来て2日程度だが、徐々に自分が更新されて行っているのを感じる。東京じゃ決して得られらなかった感覚が、楽しくもあり、同時にそのスピードが怖い。